国土交通省は、建築分野の技能実習生の受け入れに当たり、受け入れ人数枠の設定や、建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録等を義務化しました(令和2年1月より施行)。

外国人技能実習生のうち、建設分野は失踪者数が分野別で最多であり(失踪要因は、報酬の変動や、就労場所が変わり就労管理が難しいなど)、実効性ある対策が急務となることから建設キャリアアップシステムの登録が義務化されることになりました。改正入管法による新たな在留資格(特定技能)の運用が開始されたことを受け、技能実習制度・外国人建設就労者受入事業においても新制度との整合性を図りながら、適正な運用を図る必要があるという背景からです。

建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録義務は、以下の外国人を受け入れる事業者とその外国人本人です。

・技能実習生
・特定技能外国人
・外国人建設就労者

外国人が日本に滞在するには「在留資格」が必要となります。
これまで、建設業界における外国人は、その在留資格は「技能実習生」と「外国人建設就労者」に限られていました。

技能実習生

国際的な貢献を日本がしていこうという目的で、日本の技術を海外の人材に学んでもらうもの。

外国人建設就労者(特定活動32号)

2022年に開催された東京オリンピックの準備のために、需要が増加していた建設業界において人手を確保するために多くの外国人を受け入れるため設立された期間限定の在留資格

ところが、2019年に「特定技能」の特定産業分野に建設業が指定されて以来、特定技能外国人として、建設業に外国人の方が多く見られるようになってきました。工事現場で働く外国人の技能者を見かける機会が多くなってきた背景はここにあります。

特定技能

国内だけでは人材確保が難しい産業分野(特定産業分野)に限り、高い知識や熟練した経験を持つ外国人の就労を認めるもの。現在、介護や建設など12の産業分野が対象。

建設業界において、外国人技能者は今後ますます増加が見込まれ、必要な人材となることが想定されます。

制度の概要

建設分野の技能実習計画の認定に当たり、以下の基準を追加し、外国人技能実習機構において審査することとする。なお、施行日以降新規に受け入れる外国人技能実習生に対して適用され、既に受け入れている実習生は、経過措置により本基準の適用外となる。

(1)技能実習を行わせる体制の基準(令和2年1月1日施行)
・ 申請者が建設業法第3条の許可を受けていること
・ 申請者が建設キャリアアップシステムに登録していること
・ 技能実習生を建設キャリアアップシステムに登録すること
(2)技能実習生の待遇の基準(令和2年1月1日施行)
・ 技能実習生に対し、報酬を安定的に支払うこと
(3)技能実習生の数(令和4年4月1日施行)※
・ 技能実習生の数が常勤職員の総数を超えないこと(優良な実習実施者・監理団体は免除)
※優良な実習実施者以外の団体監理型技能実習で常勤職員数が9人未満(1~8人)の場合、現行は最大9名の技能実習者を受け入れることが可能ですが、告示施行後は、常勤職員数までしか受け入れられないこととなります。
国土交通省ホームページより引用


*外国人建設就労者受入事業についても、「外国人建設就労者受入事業に関する告示の一部を改正する告示」(令和元年国土交通省告示第268号)により、同様の措置を講じる。

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